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【土・日曜日に書く】論説副委員長・高畑昭男 「密約以後」に問われる誠実さ(産経新聞)

 古今東西を問わず、秘密を暴くという政治的行為は世人の関心を最も手軽に引き寄せる手段の一つに違いない。だが、すべてを暴いた後に何が残り、それがもたらす責任を政治がどう果たすのか。そのことを忘れては困る。

 日米間のいわゆる「密約」問題の有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)の調査で、「米側から事前協議の申し出がない以上、核の持ち込みはない」という日本政府の従来の説明は虚構だったことが改めて裏付けられた。岡田克也外相は「驚くべきこと」と語り、有識者報告もこうした虚構を「不正直」と形容した。政治の知恵とはいえ、確かに歴代政府の責任を問われてもやむを得まい。

 ◆本人が認めた「誤り」

 一方で、今回の調査で発掘された外務省文書の中には、沖縄返還交渉のさなかに佐藤栄作首相(当時)が「『持ち込ませず』は誤りだった」と認めたメモもあったことが印象に残っている。

 佐藤首相といえば、核を「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を政府の基本政策に位置づけ、引退後の1974年にはこれらを理由にノーベル平和賞も受賞した。一部の人が「国是」と呼ぶ三原則だが、それを提唱した本人が「誤りだった」と率直に認めていた事実は重いと思う。

 佐藤首相が三原則に初めて言及したのは67年12月である。沖縄より先に返還された小笠原諸島に関し、米軍の核再持ち込みがあり得ないことを国会で保証する答弁で三原則に触れた。翌68年1月の施政方針演説ではさらに踏み込み、これを核政策の柱の一つに据えたのがそもそもの出発点だ。

 ところが、その後2年もたたない69年10月、沖縄返還交渉で首相の密使を務めた若泉敬氏が持ち帰ったキッシンジャー米大統領補佐官の伝言は、「北東アジアの非常事態の際には沖縄への核の再持ち込みを保証してもらいたい。さもなければ沖縄は返せない」という厳しい条件だった。

 突然の展開に首相が思い悩む様子は、若泉氏の著書にも記されている。「核抜き・本土並み」公約も事前協議も、「持ち込ませず」に直結していたからである。

 ◆矛盾する国民感情

 発見された首相と外務省幹部らの協議メモ(69年10月7日)を読むと、首相が「『持ち込ませず』は誤りだったと反省している」ともらした理由は、外務省幹部から「日本は核武装しないといいながら、なぜ(核持ち込みを)認めようとしないのか。それが米国にはわからないのでしょう」といわれたからだったことがわかる。

 わずか数行の手書きメモだが、他国の「核の傘」で身を守りながら、自身は核に「通せんぼ」を貫くという矛盾した感情論に対処する難しさが目に浮かぶ。当時の国民感情からすればそれもやむを得なかっただろう。

 ただし、米国から見ればいかにも矛盾する論理と映ったのも間違いない。これが「持ち込みと一時寄港・領海通過は違う」(ライシャワー駐日大使発言)などの論議につながり、「日米密約」の本筋の物語となっていった。

 ◆「2・5原則」しかない

 ここから先は、秘密の暴露「以後」の話だ。佐藤首相も悩んだ核のジレンマの解決には「2・5原則」などの形で「持ち込み」の日米解釈を一致させる以外にない。それはもはや明らかだろう。

 佐藤首相以後も、大平正芳外相(74年)、大平首相(80年)、外務省幹部メモ(81年)など、判明しただけで過去に数回の修正が試みられた。実現しなかったとはいえ、旧自民党政権時代に何もしなかったわけではないのだ。

 それなのに、鳩山由紀夫首相や岡田外相は非核三原則を「見直す考えはない」という。日米解釈を一致させようという発想も戦略も浮かばないようだ。

 密約調査に着手する際は、誇らしげに「政権交代」を理由に挙げていた。ところが、調査して判明した矛盾を正す作業は回避し、過去の政権と同じ流儀を続けるといっているようなものだろう。

 国会で岡田外相が「緊急の際には原理原則をあくまで守るか、例外を作るかはその時の政権が判断すべきだ」と答弁したのはまだよい。だが、そこまで問題を理解していながら、「時の政権」「将来の政権」と逃げるのは国民に不正直ではないだろうか。同盟国として、また政権政党としても不誠実だとは考えないのだろうか。

 密約論議の争点は、国会の参考人質疑などを経て「文書の一部に破棄があったか、なかったか」の横道にそれてしまった。だが、問題の本質は「過去」ではない。佐藤首相の認識も踏まえて、非核三原則や同盟のあり方の「将来」を考え、手を打つことが政権を担う政治家たちの本質的な責務であるはずだ。(たかはた あきお)

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